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2008年12月03日
JET STREAM
「高度1万メートルの風に乗せて・・・」パイロット(DJ)の伊武雅刀の渋い低音が「ミスターロンリー」をBGMに響き渡る。TOKYO FMの看板番組であり、最長寿番組でもある。初代パイロットは長年城達也が努めていた。当然の事ながら学生時代耳にしていた声は城達也だった。彼の死後、何名かがDJを努めたが近年、伊武雅刀がそれを担っている。声の質といい、口調といい、城達也に酷似している。練習終わりの車中、よくオンエアの時間帯に重なる。今夜もそうだった。番組の構成はイージーリスニング曲をチョイスして流すというコンセプトが貫かれている。サウンドグラフィティのコーナーの中で今宵耳にしたのは、マライヤ・キャリーだった。「ジャーニー」をカバーした「オープン・アームズ」、それを聴いてディナーショーに挑むレディユニットの苦闘ぶりがフラッシュバックした。キーを変えたオリジナルから、キャロル・キングetc。ピアノ・シンセのみをバックにコーラス陣がメインボーカルとして30分の持ち時間を踏破する予定だが、その練習ぶりをみてふと不安がよぎった。「暗譜」が出来ていない。急遽編成されたユニットでの30分は、確かに酷かもしれないが、「暗譜」してこそ初めてモチベーションが上がる。恥ずかしい話だが、以前ベースクリニックに通った。暗譜は当然の事、フレットを見る事さえ許されない。「視線はオーディエンスに」、厳しいレッスンだった。講師は生徒である僕を睨めつけたままスケールをかき鳴らす。そこにはアマチュアとしての「妥協」の二文字は存在しなかった。何も洗練されたプロのテクニックを求めている訳ではないが、演奏する以上は少しでも上手くなりたいという願望はある。69歳で他界した父が晩年ピアノを習い出した。「カラオケ」をこよなく愛し、歌を通して人との触れ合いを殊の外大切にしていた。ピアノを習いだした理由は今となっては解らないが、ピアノが弾けるようになる事で、歌が上達すると思ったのかもしれない。今は形見となってしまった、廉価なエレピが我が家に残されている。父が練習していたエレピだ。一言相談してくれていれば、休眠中のカーツウェルがあったのに。僕が生涯かけても超えられないもの、それは「父が残した足跡」。JET STREAMからナーバスな展開になってしまった。
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